研究説明文書
DRIP Study の研究説明文書を記載しています。
更新日:2023/03/11
本研究の実施計画と研究組織は、以下の通りです。
1 研究について
【本研究の意義】
みなさまにおかれましては、療養しながら様々な負担を抱えた日々を送っていらっしゃることと推察いたします。私たちのグループは、抑うつや不安をお持ちの方によりよいケアを提供するための研究に取り組んでおります。現在、私たちの研究グループは、来院していただくことなく、オンラインを通して精神心理的苦痛の程度を把握するためのシステムを開発する研究を行っています。
以下に研究の内容について説明してありますので、よくお読みになった上で、ご協力いただける場合には、ホームページから参加希望の手続きにおすすみいただけますと幸いです。その後、事務局でいくつかのことを確認させていただいたうえで、ウェブサイトから研究参加への同意手続きに進ませていただきます。もし同意書類を郵送する方法での参加希望をされる場合は、臨床研究コーディネーター(看護師資格を有した名古屋市立大学病院の時給制職員)からの参加確認のお電話の際に郵送を希望する旨お伝えください。事務局から同意書類を郵送いたします。また、同意手続きが完了した場合、後日メールにてお知らせいたします。メールとともに、この説明同意書もダウンロードもしくは印刷して大切に保管してください。
【倫理審査について】
この研究を実施することについては、名古屋市立大学医学系研究倫理審査委員会(所在地:名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1)において医学、歯学、薬学その他の医療又は研究に関する専門家や専門以外の方々により倫理性や科学性が十分であるかどうかの審査を受け、承認されたうえで、研究を実施する研究機関の長から研究を実施することについての許可を受けています。また委員会では、この研究が適正に実施されているか継続して審査を行います。
なお、本委員会にかかわる規程等は、以下のホームページよりご確認いただくことができます。
名古屋市立大学病院 臨床研究開発支援センター ホームページ “患者の皆様へ”
2 本研究施設における研究責任者の氏名および研究分担者の氏名
研究機関名 | 名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | ||
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研究責任者職名・氏名 | 教授 明智 龍男 | ||
研究分担者職名・氏名 | 名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 客員准教授 | 市川 太祐 |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 講師 | 東 英樹 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 講師 | 山田 敦朗 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 緩和ケアセンター | 講師 | 久保田 陽介 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 緩和ケアセンター | 講師 | 内田 恵 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 助教 | 白石 直 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 助教 | 渡辺 孝文 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 助教 | 中口 智博 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 助教 | 利重 裕子 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 臨床研究医 | 小川 晴香 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学 | 研究員 | 野木村 茜 |
3 研究の目的、意義
現在のストレス社会ではうつ状態ははじめとした精神心理的苦痛を経験される方が多いことが知られています。中でも、がんなどの身体の病気を経験された患者さんやそのご家族、死別を経験されたご遺族などには専門的な治療やケアを要する精神心理的苦痛がみられることが多い一方で、ほとんどは適切な治療やケアを受けていないことが示されています。その要因の一つとして、これらストレスが高い状況では、うつ状態などがみられても当たり前の反応と評価されるなど、医療者もその状態に気づきにくいことや、診断そのものが難しいことが知られています。本研究では、スマートフォンやコンピューターを用いたアンケートやオンラインによる面接などを通してみなさまの状況を把握し、その結果を人工知能を用いて解析し、専門的な治療やケアを要する精神心理的苦痛の補助的な自動診断技術を開発することを目的としています。
4 あなたがこの研究の対象者として選定された理由
以下に当てはまる方に研究にご参加いただけますと幸いです。
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- 20歳以上のかた
- スマートフォンやコンピューターをお持ちで、これらが使える方
- 下記のいずれか1つに該当する
- ①名古屋市立大学病院で治療を受けておられる患者さんおよびその家族・ご遺族
- ②がん患者または一親等以内あるいは配偶者にがんを経験した方のいる家族あるいは遺族、死因を問わずに過去3年以内に大切な方との死別を経験している
また、以下の条件にあてはまる方は、この研究にご参加いただけません。
-
- 日本語の読み書きが難しい方
- 認知機能障害などで事務局や担当医が試験への参加を不適当であると判断させていただいた場合
*上記基準に関しては、臨床研究コーディネーターが最終的に電話で確認させていただきます。
5 この研究の方法及び期間
【研究への協力について】
1) 本研究の方法
今回、研究への参加に同意をいただけましたら、スマートフォンやコンピューターを通してアンケートや質問に回答を行っていただくことに加え、オンラインを通した精神科医による簡単な面談を受けていただきます。
2)皆様に具体的にお願いしたいこと
①アンケート調査
研究に参加していただくみなさまに対して、背景情報や最近経験された生活上の出来事などについてのアンケート調査をさせていただきます。所要時間は3-5分程度です。
②オンラインによる面談
まず、みなさまのご都合をおうかがいして日程を調整させていただきます。日程が決まりましたら、zoomを使った面談をさせていただきます。面談の担当は、名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野に所属している精神科医です。この面談では、最近の出来事や気持ちを含めたその後の心身の状態についておうかがいいたします。所要時間は20-30分程度を予定しております。
なお人工知能を用いて音声や表情を分析するために、面談の様子は録画させていただきます。その後、録画よりあなたの音声および表情に含まれる感情の判定などを人工知能を用いて行います。
【本研究全体の実施予定期間】
研究全体の実施予定期間は2025年3月までの約3年間を予定しています。
6 あなたがこの研究に参加することによって期待される利益と予測される負担やリスク
①利益
あなたがこの研究に参加されますと、医学の進歩に貢献していただいたことになります。
②不利益
本研究でお願いすることはアンケート調査とオンラインを通した面談です。研究参加のために少しお時間をいただくことになりますが、それ以外は特にみなさまに与える不利益はありません。
7 同意の撤回の自由について
この研究への参加はあなたの自由意思によるものです。この研究に同意された後であっても、いつでも参加を取りやめることができます。
同意の撤回を希望する場合は、アンケートを入力するウェブサイトに同意撤回の項目がありますので、そちらをお選びください。同意撤回をされた場合、その時点までに収集されたデータは破棄いたします。ただし、研究の進捗状況によっては、個人情報の特定ができない状態に加工されており、あなたのデータを取り除くことができない場合があります。
8 研究への参加に同意しなくても、途中で同意を撤回しても、不利益な取り扱いを受けることはありません。
あなたがこの研究への参加に同意されない場合や、途中で参加をとりやめる場合でも、今後の治療等で決して不利益を受けることはありません。
9 研究に関する情報公開
この研究の成果は、学術雑誌や学術集会を通して公表する予定ですが、その際も参加された方々の個人情報などが分からない状態で発表します。
10 研究計画書及び研究の方法関する資料の入手または閲覧できる旨、その方法
研究計画書は閲覧可能ですので、ご覧になりたい方は研究責任者もしくは研究分担者にお申し出ください。また、この研究が終了して研究の結果がまとめられた後、あなたの希望があれば、この研究の結果をお知らせすることができます。
11 個人情報等の取り扱い
あなたの情報は、それらから住所、氏名等の個人を特定する情報が削られ、代わりに新しく符号がつけられて匿名化します。なお、あなたとこの符号とを結びつける対応表は、名古屋市立大学大学院医学研究科で厳重に保管します。
12 情報の保管方法、廃棄方法
前述の匿名化された研究の情報については、米国の厳しい医療データの法規制にも対応した安全なAmazon Web Services(AWS)で保管、管理するとともに、研究期間中、施錠可能なロッカーに研究責任者が保管します。電子媒体の情報は、解析用の匿名化されたデータセットに加工した後、USBファイルに保管し、ファイルにパスワードをかけて、施錠可能な金庫に保管します。これらの情報は、この研究の終了について報告した日から5年を経過した日、またはこの研究の結果の最終の公表について報告した日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間保管されます。
研究終了後、保管期間が経過した場合、本情報は廃棄します。このとき、紙媒体の資料は、シュレッダーで裁断し、再現不可能な状態にした上で廃棄し、USBは物理的に破壊してデータ読み取りを不可能にした上で、同様に廃棄します。あなたが同意を撤回した場合、その時点で同様に紙媒体及び電子媒体の資料を廃棄します。
13 あなたから頂いた試料・情報について、将来の他の研究に用いられる可能性、又は他の研究機関に提供する可能性
この研究では、あなたから提供いただいた情報を、将来の他の研究に用いることや、他の機関へ提供する予定はありません。
14 研究により得られた結果等の取り扱い
この研究で行った解析の結果は、研究的要素が強く、あなたの健康状態等を評価するための情報としての精度や確実性が十分でないため、解析の結果をお伝えしません。ただし、研究中に実施される面接の結果、専門医への受診などが強く望まれると研究者が判断した場合には、その旨お伝えいたします。
15 研究についてのご相談があると感じられたときの医療機関の連絡先
この研究について知りたいことや、ご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
【問い合わせ先(月、水、金の15:00-19:00)】
*問い合わせいただいた際に、急な診療などの関係ですぐに対応できないこともあるかもしれないことをご理解ください。
【研究代表】
明智龍男
名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野
住所:〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地
電話:052-851-5511(病院代表)
16 あなたに対する費用負担、謝礼の有無
本研究への参加に伴う経済的負担はありません。研究へのご参加に関して、些少ながら研究を終了していただいた方に謝礼(クオカード5000円分)を郵送にてお送りさせていただきます。
17 研究によって生じた健康被害に対する補償の有無、その内容
本研究は、危険性は伴わないため、この研究を行うことによる健康被害に対して補償や賠償保険などは準備しておりません。もし、身体状態や精神状態が悪化した場合には、お手数ですがかかりつけの医療機関や主治医にご相談いただければ幸いです。
18 この研究の資金源及び利益相反(COI(シーオーアイ):Conflict of Interest)について
研究一般における、利益相反(COI)とは「主に経済的な利害関係によって公正かつ適正な判断が歪められてしまうこと、または、歪められているのではないかと疑われかねない事態」のことを指します。具体的には、企業等が研究に対してその資金を提供している場合や、研究に携わる研究者等との間で行われる株券を含んだ金銭の授受があるような場合です。このような経済的活動が、研究の結果を特定の企業や個人にとって有利な方向に歪曲させる可能性を判断する必要があり、そのために研究の資金源や、各研究者の利害関係を申告することが定められています。
本研究は、厚生労働省科学研究費補助金「がん患者の家族・遺族に対する効果的な精神心理的支援法の開発研究(研究代表者 明智龍男)」、「AYA世代のがん患者に対するスマートフォンによる医療・支援モデル介入効果の検証(研究代表者 明智龍男)」の資金により実施いたします。また、研究に使用する医薬品等製造販売業者からの資金提供等はありません。
なお、この研究では、企業等の関与と、研究責任者および研究分担者等の利益相反申告が必要とされる者の利益相反(COI)について、名古屋市立大学大学院医学研究科医学研究等利益相反委員会の手続きを終了しています。
19 研究成果の帰属について
この研究で得られるデータ又は発見に関しては、研究者もしくは研究者の所属する研究機関が権利保有者となります。この研究で得られるデータを対象とした解析結果に基づき、特許権等が生み出される可能性がありますが、ある特定の個人のデータから得られる結果に基づいて行われることはありません。したがって、このような場合でも、あなたが経済的利益を得ることはなく、あらゆる権利は、研究者もしくは研究者の所属する研究機関にあることをご了承ください。
研究参加のお申込み
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